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本文

  A wooden spoon looks like the opposite of “technology,” as the word is normally understood.  There is nothing futuristic or shiny or clever about it.  But look closer at one of your wooden spoons.  Look at the shape.  Is it oval or round?  Cupped or flat?  Perhaps it has a pointed end on one side to get at the lumps in the corner of the pan.  Maybe the handle is extra-short, for a child to use, or extra-long, to give your hand a place of greater safety from a hot pan.  Countless decisions economic and social as well as those related to design and applied engineering will have gone into the making of this object, and these will affect the way this device enables you to cook.  The wooden spoon is a quiet, all-around player in so many meals that we take it for granted.  We do not give it credit for the egg it has scrambled or the chocolate it has helped to melt.

  The wooden spoon does not look particularly sophisticated, but it has science on its side.  Wood is non-abrasive and therefore is gentle on pans you can scrape away without fear of damaging the metal surface.  It is non-reactive: you need not worry that it will leave a metallic taste or that its surface will chemically react on contact with any foods such as lemon juice or tomatoes.  It is also a poor conductor of heat, which is why you can stir hot soup with a wooden spoon without burning your hands.  Above and beyond its functionality, however, we cook with wooden spoons because we always have.  They are part of our civilization.  Tools are first adopted because they meet a certain need or solve a particular problem, but over time the utensils we feel happy using are mainly determined by culture.  In the age of stainless steel pans, it is perfectly possible to use a metal spoon for stirring without ruining your pots and pans, but to do so feels obscurely wrong.  A hard metal tool makes an unpleasant noise in contrast to the gentle tapping of wood.

  Traditional histories of technology do not pay much attention to food.  They tend to focus on industrial and military developments.  When food is mentioned, it is usually in the context of agriculture, rather than the domestic work of the kitchen.  But there is just as much innovation in a bottle opener as in a bullet.  Often, inventors have been working on something for military use, only to find that its best use is in the kitchen.  The word “technology” comes from the Greek language.  Techne means an art, skill or craft and logia means the study of something.  Technology is not just a form of the latest engineering but something very human: the creation of tools and techniques that answer certain needs in our lives.  Spoons along with their companions and rivals, chopsticks and forks are definitely a form of technology.  〔関西学院大・494語〕

 

 

和訳

1「テクノロジー」ということばがふつうに理解されているように,木製スプーンは「テクノロジー」の対極にあるように見える.木製スプーンにはざん新だったり,ピカピカ光っていたり,精巧だったりするものはまったくない.しかし,あなたの持っている木製スプーンの一本をよく見てみよう.形状を見てください.それはだ円形か円形か.丸みがあるか,それとも平らか.片方の端が,平なべのすみのかたまりに届くようにとがっているかもしれない.おそらく子どもが使えるように柄が特別に短かったり,熱いなべからより安全な位置に手が離れるように,特別に長かったりするかもしれない.設計や応用工学に関する決定のみならず,経済的および社会的な数え切れないほどの決定を経て,この道具は製造されるのだろうし,これらの決定が,この考案品であなたが調理できる方法に影響を与えるだろう. 木製のスプーンは,あまりに多くの食事においての目立たない万能選手なので,私たちはそれを当たり前のものと思う.私たちは木製のスプーンで炒った卵や,それを使って溶かしたチョコレートを,そのスプーンのおかげでできたものとは思わないのだ.

2 木製スプーンは特に精巧にも見えないが,一方で科学的な性質がある.木は研磨作用がないのでなべにやさしい,つまり,金属の表面を傷つける心配もなく(なべを)こすることができるのだ.木は化学反応を起こさない.つまり金属っぽい味が残ったり,レモン汁やトマトのようなどんな食材に触れても,表面が化学的に反応したりするような心配はない.さらに,木は熱を伝えにくいので,手をやけどすることなく木製のスプーンを使って熱いスープをかき混ぜることができる.しかし,そういった機能性に加えて,私たちはいつもそうしてきたから木製のスプーンで料理をするのだ.木製のスプーンは私たちの文明の一部なのだ.道具が最初に採用されるのは,それらがある要求を満たすか特定の問題を解決するからだが,時がたてば,使ってうれしいと感じる道具は主として文化によって決定される〔→どんな道具を満足して使うようになるかは文化によるところが大きい〕.ステンレス製のなべの時代には,深なべや平なべを傷つけずにかきまわすために金属製のスプーンを使うことに不可能はまったくないが,そうすることは何となく違和感がある.堅い金属製の道具は,木が軽くたたくやわらかい音とは対照的に不快な音をたてるからだ.

3 これまでのテクノロジーの歴史は,食べ物にそれほど注意を払っていない.工業や軍事の発展に焦点をあてる傾向があるのだ.食べ物について話されるとき,台所の家事よりもむしろ農業の面で話されることがふつうだ.しかし,栓抜きにおいても弾丸におけるのとまったく同等の技術革新があるのだ.発明家が軍事利用のために何かに取り組んできた結果,(その発明品の)最適な利用場所が台所だと気づくこともよくある.「テクノロジー」ということばはギリシャ語に由来する.techneは技術を意味し,logiaは何かを研究することを意味する.テクノロジーは最新の工学の1つの形態であるだけでなく,何か非常に人間的なものである.つまり,私たちの生活における必要に応える道具や技術を生み出すことだ. スプーンは,―その仲間でありライバルでもあるはしやフォークとともに—間違いな

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