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本文

  According to the writer Jane Jacobs, a good city street in America depends on a balance between its people’s determination to have privacy and their desire for contact.

  In an essay about neighborhoods, Jacobs explains this subtle but important balance in terms of the stores where people leave keys for their friends, a common custom in New York.  In her family, for example, when a friend wants to use her place while she is away for a weekend, or a visitor for whom she does not wish to wait up is spending the night, she tells such a friend that he can pick up the key at a shop across the street.  The author describes how her neighbor Joe Smith, who keeps the local delicatessen, usually has a dozen or so keys at a time for handing out like this.  Now why do she and many others select Joe as a guardian?  Because they trust him to be a responsible person and they know that he combines a feeling of good will with a lack of personal concern for their private affairs.  Joe considers it no concern of his whom they choose to permit in their places and why.

  Around the other side of Jacobs’s block, people leave their keys at a Spanish grocery.  On the other side of Joe’s block, people leave them at the candy store.  Down a block they leave them at the coffee shop, and a few hundred feet around the corner from that, at a hairdresser’s.  The choice of where to leave one’s keys is not based on the service provided by the shop, but on one’s estimation of the manager’s character.  A service like this must be given as a favor by someone with an understanding of the difference between owning a person’s key and taking unnecessary interest in a person’s private life.

  As a further illustration of her argument, Jacobs describes the line drawn by Bernie Manning at the candy store around the corner from where she lives.  One morning last winter, Bernie and his wife, Ann, supervised the small children crossing at the corner; lent an umbrella to one customer and a dollar to another; gave street directions; listened to a tale of domestic difficulty and offered reassurance.

  After considering the many additional services that Bernie provides his customers, Jacobs asked him, “Do you ever introduce your customers to each other?”  He looked startled at the idea, even dismayed.  “No,” he said thoughtfully.  “That would not be advisable.”

  When Jacobs told this story to an acquaintance, the acquaintance promptly assumed that Bernie felt that to make an introduction would be to step above his social class.  Not at all, responded Jacobs.  In her view, the shopkeepers in her neighborhood, such as the Mannings, enjoy an excellent social status: that of businessman.  Their advice, as men and women of common sense and experience, is sought and respected.  For Jacobs, this signals their keen understanding of the invisible line separating the public and private.  This line can be maintained, without awkwardness to anyone, because of the large number of opportunities for public contact in the shops along the sidewalks.  Such relationships can, and do, endure for many years, but they cannot form without that line.  〔日本女子大・541語〕

 

 

和訳

1 作家ジェーン・ジェイコブズによれば,アメリカの住みよい街なかとは,人々のプライバシーを保とうとする決意と人づきあいをしたいという欲求とのバランスによって決まるという.

2 近所づきあいについてのエッセイの中でジェイコブズは,この微妙ではあるけれども重要なバランスを,ニューヨークでは一般的な習慣であるが,友人のために鍵を預ける店という観点から説明している.たとえば彼女の家庭では,彼女が週末に出かけている間に友人が彼女の家を使いたいとき,あるいは寝ないで待ちたくはない訪問者が泊まりに来るときには,そのような友人に通りの向かい側にある店で鍵を受け取ることができると伝えている.著者は地元でデリカテッセンの店[惣菜店]を営む隣人のジョー・スミスが,このように鍵を渡すためにふだんから一度に一ダースやそこらを預かっている様子を描いている.さて,彼女やそのほかの多くの人がなぜジョーを番人に選ぶのだろうか.それは彼らがジョーを責任感がある人物だと信頼し,〔彼は善意と彼らの私的な事柄に個人的な興味がないことと結びつけることが→〕彼には善意があり,かつ他人の私生活には個人的関心がないということがわかっているからである.ジョーは彼らが自分たちの家へ入ることをだれに,なぜ許可すると決めるのかは,まったく自分には関わりのないことだとみなすのである.

3 ジェイコブズの地区の反対側のあたりでは,住民はスペイン食材店に鍵を預けている.ジョーの地区の反対側では,キャンディー店に鍵を預けている.1ブロック行ったところではコーヒー店に,その角を曲がって数百フィートのところでは美容院に鍵を預けている.自分の鍵をどこに預ければよいかという選択はその店が提供してくれるサービスにもとづいているのではなく,店主の人柄に対する評価にもとづいているのだ.このようなサービスは,人の鍵を預かることと人の私的な生活に余計な関心をもつこととの違いがわかっている人の好意によって提供されるべきである.

4 彼女の主張のさらなる実例として,ジェイコブズは,彼女の家の角を曲がったところにあるキャンディー店を営むバーニー・マニングの線引き〔←(公私の)一線〕について述べている.去年の冬のある朝,バーニーと奥さんのアンは子どもが角のところを渡っているのを見守ったり,ある客には傘を,また別の客には1ドルを貸したり,道を教えたり,家庭内の問題を聞いて安心させてあげたりした.

5 バーニーが客に提供するほかの多くのサービスを考慮したあと,ジェイコブズは彼にたずねた.「客同士を紹介することはありますか?」彼はその発想に驚いたようで,動揺しているようにさえ見えた.「いいえ」と彼は考え込みながら答えた.「そんなことは賢明ではないだろう.」

6 ジェイコブズがこの話を知人に語ったとき,その知人は即座に「紹介するというのは自分の社会的階級を越えることになってしまうだろうとバーニーは感じたのではないか」と決めてかかった.「まったく違う」とジェイコブズは答えた.彼女の考えでは,マニング夫妻のような近所の店主はすばらしい社会的地位を楽しんでいるのだ.それはビジネスマンの地位である.常識と経験ある人間としての彼らのアドバイスは求められもするし,尊重もされているのだ.ジェイコブズにとっては,このことは,彼らが公私を分ける目に見えない線引きを深く理解していることを示している.この線引きはだれに対しても自然に維持できる.というのも,歩道沿いにあるそういった店は,公に(近所の人たちに)接する機会が多いからである.そのような関係は何年も続けられるだろうし,現に続いているが,その線引きがなければ成り立たないのだ.

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